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アンカー施工(穿孔編)

2020/09/27|blog

「コンクリートへ孔をあけるだけの簡単な作業」

ですが、この穿孔作業は思った以上に重要で、難しいです。

知ってしまえば、簡単な作業になりますので、是非この機会にもう一度確認していきましょう。

 

手順

1.墨だし

2.ハンマードリルのキリを選定

3.キリにマーキング

4,穿孔

 

1.墨だし

ポイント

① 取付け物の寸法を確認

② 鉄筋の位置を確認

③ コンクリートからの「はしあき」を確認

墨だし作業は、アンカーの設置位置を確定させる目的があります。

取付け物を数本のアンカーで固定する場合、コンクリート穿孔時、構造物の鉄筋に干渉し、計画の場所へ取付物の固定が困難な場合があります。その場合は、初めからアンカーを打ち直しをする事があり「構造物へ無駄な傷をつける」や「無駄な手間」が増えるなど大きな問題となります。

したがって、この墨だしはとても重要な作業になります。

実際に現場で作業する際、確認しても不明な点が多い場合は、施工管理者へ「墨だし」をお願いする事がよいと思います。

 

 2.ハンマードリルのキリを選定

キリの選定で重要な事は、「使用するアンカーの製造メーカー推奨のキリ」を使用する必要があります。

金属拡張式のアンカーは、アンカー本体の拡張部が拡張する事で、アンカー本体を固着せる機構になっております。キリのサイズが適合しない場合、アンカー本体の挿入が困難になったり、アンカー本体を設置しても、グラグラ抜けそう(強度がでない)になるなど、施工不良になります。メーカー推奨のサイズを必ず確認しましょう。

 

あまり知られていない事ですが、キリにはいくつかの種類があります。

① 連結部の形状

六角軸タイプとSDS(plusとmaxがある)タイプの2種類になっている

② 先端部の刃の枚数が違う

2枚刃・3枚刃・4枚刃と3種類あります。

この刃の枚数の違いによって、コンクリートへの穿孔する時間や、孔の形状が少しずつ変わってきます。

刃の枚数が多くなるにつれ、穿孔した孔の形状が真円になる傾向があります。

※補足ですが、キリにはメーカーが推奨する使用回数が定められています。

アンカーバード社調べですが、だいたい500回~600回の穿孔でキリを交換するのが望ましいとの事でした。

キリの損耗が進むと、穿孔する孔の径が小さくなる傾向があり、設置するアンカーの拡張量が不足する事がありますので、過度に使用したキリを再使用するのは控える事が望ましいです。

 

3.キリへのマーキング

マーキング作業は、コンクリートの穿孔深さを決定する作業です。穿孔深さの差は、設置するアンカーの品質にも影響しますので、適切な深さを設定してください。

また、穿孔深さはアンカー製造メーカーが推奨する値がありますので、必ず確認するようにしてください。

〇メーカー推奨施工

〇穿孔深さが浅い場合(でべそ)

〇絶対やってはいけない施工

〇よく現場で実施している施工

〇絶対やってはいけない施工は、実は現場で実施しているケースがあります。

1.コンクリート表面にモルタルが塗布されており、アンカーを躯体へ設置する為、アンカー本体を深く設置した。

2.取付け部材のネジ部が長いため、ネジ部の長さに合わせてアンカー本体を深く設置した。

上記の理由で、アンカーを深く設置する事がありますが、弊社ではNG施工としています。

理由は

 1.アンカー本体の設置完了が全く分からない

 2.取付け部材のネジが螺合したかわからない

 

という理由になります。実はこの施工方法で事故が発生したケースもあります。

アンカー有資格者が、適切に設置したアンカーであっても、コンクリート躯体奥深くへ設置したアンカーへ、後から取付け部材を設置する場合は非常に注意が必要になります。

 

※なぜアンカー本体をコンクリートの奥へ設置する必要があるのか?

それは、使用済みアンカーを後から補修する必要があるからです。これはまた次回詳しく考察していきます。

 

4.穿孔

穿孔作業は、コンクリート面に対し直角になるように機械の傾きを調整し作業を行う。

孔が傾くことにより、取付け物とナットやボルトの接触面が点当たりとなり、締付不足になる可能性がある。

※鉄筋、埋設物に当たる場合は施工を一時中止し、管理者へ相談する必要があります。

 

穿孔時に排出されるキリが飛散し、たびたび問題となる事があります。

集じん機能が付いたハンマードリルを使用する事で、外部への飛散を最小限に抑える事が出来ます。近年、川・海などにかかる橋梁を改修する場合は、特にこの穿孔した際に排出される粉塵の飛散による汚染を防止する対策の一環で、集塵機能付きのハンマードリルを使用するケースが増えています

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