たった一本のアンカーで1,500kgのコンクリートの塊を吊っている事はできるのか?
2020/09/25|blog
たった一本のアンカーで1,500kgのコンクリートの塊を吊っている事はできるのか?
という事で、今回はアンカーバード(金属系アンカー)を使用して約1か月、コンクリートの塊(約1,500kg)を吊ってみたときの話です。
この実験で使用した金属拡張アンカーはアンカーバードです。
アンカーバードのスペックは以下です。
建設業では、資材の一本釣りは禁止されてますが、今回は、安全を考慮しながら、たった1本のアンカーで1,500kgのコンクリートを吊ったらどうなるのか?を実験にて確認しました。現場で使用するアンカーは、常に自然環境の中におかれ、雨、風、または、暑かったり寒かったりとあらゆる気象条件を経験し、本体が錆びたりコンクリートが劣化したりしますが、それでも安全にアンカーとしての役割を果たさなければいけません。
あと施工アンカーには、
〇最大引張荷重
〇短期荷重
〇長期荷重
〇メーカー推奨荷重
このように、〇〇荷重といった表記がたくさんある為に、イマイチどのくらいの荷重を加える事ができるのか、疑問に思われる方もいるかもしれません。
次回、この内容については詳しく説明していきますが、簡単にいうと、最大引張荷重とは、コンクリートに設置したアンカー本体を引張った際、「最大に引っ張る事ができた荷重」を言います。
この時、アンカー本体が抜け出てしまうのは、施工不良となりますので注意が必要です。
また、最大引張荷重を1本のアンカーに加える事はできません。
というように、少しややこしいですが、アンカーバードの最大引張荷重は25.82kNです。そして、短期荷重は7.44kN、長期荷重は3.72kNとなります。
今回は、1か月という期間1,500kgのコンクリートの塊を吊っている状態になりますので、長期荷重の約4倍もの荷重を加えたまま放置する事になります。
適切に施工できたアンカーであれば、1か月後も「1,500kgのコンクリートの塊を吊っている事ができる」と、予想できますが、自然環境で設置するアンカー本体の腐食や、コンクリートの劣化とさまざまな要因でもしかしたら落下するのではないか・・・
と、少し不安もありましたが、今回の実験は無事コンクリートを吊っておくことが出来ました。
実際に、こういった現物で実験を実施する事は、なかなかありません。
安全性を確かめる上では、こういった実験もとても重要ですね!